2019年09月25日
●30代だけれどITエンジニアにはなれる?
●人材不足と聞いたけど実情は?
●転職活動時に最も役立つ資格やスキルを知りたい。
●転職エージェントを活用するコツとは?
●転身の苦労と良かったことを知りたいのだけれど・・・
今回は以上の疑問を解決していきます!
目次
30代でもエンジニアになれます!人材不足の市場
日本は少子高齢化時代に突入し、全業界とも労働人口が減少しています。IT業界も例外ではなく「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査」(経済産業省)によると、2019年を境に人材は減少していくと報告されています。2020年には約37万人、2030年には約79万人不足すると予想されており、深刻な問題としてとらえておく必要があるでしょう。
IT業界全体での人材不足がさけばれていますが、特にセキュリティ(2020年約19万人不足)、AIやビックデータ(2020年約5万人不足)が深刻になっています。
セキュリティが不足する原因は、2020年に開催する東京オリンピック・パラリンピックによるもの。AIやビックデータについては、どんどん蓄積されるデータの分析や解析が追い付かないのでは…という点が懸念されています。
であれば、セキュリティやAI・ビッグデータの分野に参入することがIT業界で活躍できる近道と感じるかもしれませんが、これらの分野は高い技術が必要という点は否めません。業界に入ってすぐにこの2つの分野で力を発揮できるかというと、難しいものがあります。
ただ、IT業界はこれから成長が最も注目されているのは事実。今業界に足を踏み入れ、将来的に深刻な人材不足になる分野で活躍することは十分可能です。日々IT業界は技術が進歩しています。早いうちにITエンジニアという職に就いて、業界の進化を体感しながら自分のスキルを上げていくというのが理想的な姿と言えます。
転職活動時に最も役立つ資格やスキルとは
現在32歳のAさんは、大学を出て一度就職をしました。入社したのは安定した経営を続けている商社。「大学を出たら就職をするのが当たり前と考えていました。でも、特にやりたいことはない。友人がエントリーした会社がまだ求人広告を出していたので、受けたところに決まりました」とAさん。
上司や同僚にも恵まれて、ストレスのない日々を過ごしていたそうですが、その安定感に慣れてくるとAさんの心の中には“物足りなさ”が生まれてきました。「もっと厳しい環境で自分を試したい。転職しよう」と決心し、20代後半で退職を選択しました。ただその時点では職が決まっていない状態。次の就職先は慎重に決めたいという思いを持っていたこともあって、しばらくフリーターとして日々を送ることになります。
30歳目前になったころ、気持ち的に焦りを感じてきたAさん。「フリーターをしている中で、自然とやりたいことが出てくると思ったんです。でも、一向にやりたいことが出てこない・・・定職に就かないことに、不安を感じるようになりました。このままフリーターで終わるのか?と考えたら居てもたってもいられなくなって、さまざまな業界を研究したのを覚えています」とのこと。
そのような中、これから成長の一途をたどるにも関わらず、人材不足が顕著になってくるというIT業界への就職を検討するようになりました。「商社では営業部に所属して、ITの知識も技術もありませんでした。そこでまずは資格を取得することを考えました。客観的に自分を評価してもらえると思ったし採用する側にも安心してもらえるんじゃないかなと思って」と当時を振り返ってくれたAさんです。
Aさんはまず、国家資格をチェックしました。そして、IT職種全般に関わってくる3つの資格をピックアップします。
●ITパスポート
IT資格取得のファーストステップとして適している。テクノロジ系(IT技術)、マネジメント系(IT管理)、ストラテジ系(経営全般)の3つに分かれている。
●基本情報技術者
ITエンジニアの基礎資格と言われている。合格率は約25%と難関ではあるが、IT業界に関わらず、さまざまな業界でニーズがある。
●応用情報技術者
「基礎情報技術者」と同じような内容だが、それよりもレベルが高い。高度IT人材に必要な知識や技術がある人人に向けた資格。
まずは、ITパスポートにトライしたというAさん。
「ITに特化した企業の社員だけでなく、一般企業かつ、さまざまな職種の人が受験している資格です。これからの社会ではITの基礎知識は必要不可欠。さらに私はIT業界に入ろうと決めたので、絶対取っておきたい資格でした。
出題分野はテクノロジ系・マネジメント系・ストラジ系に分かれていて、企業や経営の基本なんかも学びます。退職してからだいぶ時間が経過していたので、総合的に学べたのは良かったですね。これから就職活動を考えている学生さんでも受けやすい資格だと思います。
勉強期間は約1カ月半。中には1週間で取得したという人もいます。準備期間によって取り組み方が違うと思うので、適した学び方をすれば合格を手に入れられると思います」と経験談を語ってくれました。
転職エージェントを最大限活用!活用のコツとは?
ITパスポートの資格を取得し、就職活動をスタートさせたAさん。「大学を卒業してから、ひとり暮らしをしています。生活費を稼ぎながらの就職活動となるため、効率よく進めたいというのがありました。そこで、就職エージェントに登録することにしました」。
就職エージェントとは、人材紹介サービスのひとつ。就職に際する悩みを解決してもらえるだけでなく、適した企業を紹介してくれるサービスです。
活用のメリットとしては、
1.求職者側の利用料が無料
収益は企業からの謝礼のみ。求職者は無料でサービスを利用できます。
2.自分に代わって企業を探してくれる
まずは面談をして、希望条件などを細かくヒアリングします。それをもとに、適した企業をいくつかピックアップし提案してくれます。
3.非公開情報を持っている
非公開情報を持っているので、自分では見つけられなった企業とマッチングすることが可能となります。
4.「履歴書」と「職務経歴書」のアドバイスも
さまざまな成功事例を持っているため、通過しやすい各種提出書類のノウハウがあります。中には推薦状を作成してくれるところもあります。
5.スケジュールの調整をしてもらえる
求職者の都合を加味しながら、面接日時の調整をしてもらえます。
6.賃金交渉を代行
面接時、賃料交渉はなかなかじにくいもの。求職者に代わって伝えるのも就職エージェントの仕事です。
7.さまざまなアドバイスをしてもらえる
求職にまつわるのは、職探しだけではありません。家族への伝えかた、転職のタイミングなどについても親身になって話を聞いてもらえます。
などがあります。
これらのメリットを活用し、Aさんは希望にそったIT企業へ就職しました。「メリットを上手に活用するには、就職エージェントとしっかりコミュニケーションをとることがコツ要です。希望条件はできるだけ具体的に伝えて、しっかり理解してもらうようにしないと、あれ?というような企業を紹介されてしまいます。多くを語らず、自分の気持ちはわかってくれるだろう・・・というのは無理なこと。しっかり言葉にだしてくださいね」とアドバイスをくれました。
事前に知っておこう『30代でITエンジニアへ転身した時の苦労』
「先輩が年下であることと、経験値の不足。それから、20代に比べると頭が固くなっているし体力的にもきつかったです」と語るAさん。
最初は年下に教わることに違和感を感じたそうですが、さまざまなことを教えてもらっていくうちにその気持ちはなくなっていったのだそうです。
「数年長く生きているかもしれませんが、IT業界では未経験者。自分の力のなさが分かってきて、年齢のこだわりはなくなっていきました。仕事を離れると、年上ということでリスペクトもしてもらえたので恵まれていたのかもしれませんね」。
「若い人に比べて、柔軟に考えられない・覚えられないということが悩みでした。そこをクリアするために、考えが浮かんだら文章で表現してみたり、本や新聞を読んで頭の中で内容を整理したりと、日常生活の中でも積極的に頭を使うようにしました。
体力面では運動不足もあったので、ジムに通って基礎体力をつけましたね。そうしたら、体だけでなく頭の動きも良くなりました。年をとっているのは事実ですが、それを理由にダメなんだと終えるのではなく、努力は必要だし、努力は実を結ぶということが分かりました。
最初は苦労とした思えなかったことも、それらを乗り越えたことで成長にもつながりました」と苦労を成長につなげたという経験を教えてくれました。
まとめ
「IT業界は日々成長しています。世の中の最先端をいく業界で、時代の先を読んで仕事をしていくことが楽しいです。経済などにも興味を持つようになり、見聞も広がりました。
なんとなく大学に入ってなんとなく就職した自分とはだいぶ変わりましたね。フリーターからというとハードルが高いように感じるかもしれませんが、この業界は実力主義という見方をする経営者が多いのも特徴かと思います。ですから、フリーター期間があってもそこは大きなマイナスではなかったなという感想です。
でも事前に資格を取っておいたことは気持ちの面ではプラスだったかなと。フリーターで未経験だと萎縮してしまったかもしれませんが、資格が再就職へのハードルを少し下げてくれました。就職エージェントを活用したもの安心材料になったのでおすすめです。
ITエンジニアは給料の上がり方は同年代の友人と比べるといいと思います。入社後は基本情報技術者を取得して、今は応用情報技術者の取得に向けて勉強中です。プログラミングのスキルも積んでいます。これからはさらに自身の質を上げて、ビッグデータの分析・活用を担う人材、スピーディにシステムを構築できる“フルスタック人材”を目指したいですね。
この業界では、自分自身の力がつくことが魅力です。もし転職や独立することになっても、自信をもって対応できると思います。人生100年時代ともいわれていますが、この技術があれば定年後も仕事を続けられるんじゃないかな・・・というようなことも考えるようになりました」と転職して良かった点を語ってくれました。