フリーターでも賃貸の審査をクリアする方法とは【元不動産屋の知識】

2021年08月14日

フリーターでも賃貸の審査をクリアする方法とは

私が不動産屋をしていたころ、お客様からよく聞かれた質問があります。
それは【私はフリーターですが、賃貸物件って借りられますか?】という質問です。

結論から申し上げるともちろんフリーターでも賃貸物件を借りることはできます。しかしコツがあります。借りられる物件と借りられない物件、妥協しなければならない場合もあります。

当記事では

  • フリーターでも賃貸物件を借りるためのポイントとは?!
  • フリーターはなぜ賃貸物件を借りれないの?
  • フリーターでも審査が通るのか通るのか不安、、

こんな疑問や悩みを解決していきたいと思います!

それでは見ていきましょう。

フリーターの賃貸審査「大家さん審査」「保証会社審査」とは

いざ家を借りよう!と思っても賃貸物件を借りるためには、必ず入居審査があり、この入居審査をパスしなくては賃貸物件に住むことはできません。

フリーターが家を借りるには少しコツが要ります。
一番大切なのは大家さん審査か保証会社審査かになります。大家さん審査と保証会社審査は具体的には何が違うのでしょうか?見ていきたいと思います。

大家さん審査とは

大家さん審査とは言葉の通り大家さんによる審査になります。あなたが申込書に書いた情報や身分証のコピーをもとに、物件に住んでもらっても大丈夫な人物か大家さん自ら判断して審査を下ろします。
大家さん審査の場合は審査が緩いことが多く、契約者本人がフリーターであったり無職であっても連帯保証人の身元がキチンとしていたり内容が良ければ審査に通過することがほとんどです。

保証会社審査とは

保証会社審査とは、あなたが家賃を滞納した際に代替わりで家賃を支払ってくれる保証会社による審査です。
保証会社はあまり聞き馴染みがないかもしれませんが、連帯保証人がいない方に連帯保証人の代わりをしてあげる為の機関です。都心部では大家さんが家賃の未回収を防ぐために、保証会社加入必須の物件が多くなってきました。

この保証会社とは連帯保証人がいなくても、家を借りることができる一見便利なシステムですが、オリコやジャックスなどの金融機関が経営している場合が多く、社会的信用のないフリーターには極めて不利な審査になっています。
私の過去のお客様で30万円を毎月稼ぐ高収入フリーターの方がいらっしゃいましたが、保証会社の審査は通ることはありませんでした。

2つの審査の違いについてお判り頂けましたでしょうか?
つまり、フリーターが家を借りる際には保証会社加入必須の物件ではなく、大家さん審査の物件を借りなくてはならないと言うことです。

しかし、先ほども申し上げましたが都内では保証会社加入必須の物件も増えているのです。
ですので、どうしても保証会社加入必須の物件に住みたい場合の借り方をご紹介します。

契約者を親や親族名義にする

どうしても保証会社必須の物件に住みたい方は親や親族に名義人になってもらうという方法があります。

しかし、これには条件があります。

  1. 大家さん側で親名義で借りることをOKしている。
  2. 親や親族にとても内容の良い人物がいて、その人が契約者になってくれる。
  3. 2の人物にクレジットカードの事故歴がない。

この3つの条件が揃えば入居できるでしょう。
内容の良い人物とは公務員や上場企業に勤めていて勤続年数が長く、持ち家で高収入のような人のことです。
上記のような人物であっても過去にクレジットカードの滞納や借金の延滞などの事故歴があると保証会社の審査に落ちる可能性がありますので注意が必要です。
さらにいくら収入や資産があっても年金暮らしだったり、高齢だと良い内容の人物とは言えませんので注意が必要です。

フリーター賃貸に不利と言われる理由

フリーターを賃貸物件の審査を通すために必要なことはお判り頂けたのではないかと思います。

続いてなぜ、フリーターは賃貸物件を借りるのに不利と言われるのか?その理由について見ていきましょう。
おおまかに言えば以下のような理由があるからです。

  • 社会的信用がないから
  • 雇用が安定していないから
  • なんとなく不安だから

それでは詳しく見ていきましょう。

社会的信用がないから

まず1つ目の理由は社会的信用がないからです。

現在の日本は正社員至上主義といっても過言ではないくらい正社員以外の非正規雇用つまり、フリーターを認めない風潮にあります。

その証拠にフリーターは高収入であってとクレジットカードを作れませんし、ローンも組めません。正社員として雇用されている人より稼いでいても社会的信用がないのが現状です。

雇用が安定していないから

2つ目の理由は雇用が安定していないからです。

企業が正社員を雇う場合は定年退職する60歳か65歳まで雇うことを前提として雇います。加えて国により正社員の雇用は守られているため、大きな過失や会社に損害を与えない限り会社都合でリストラすることはできません。

しかし、フリーターは違います。あまり知られていませんがアルバイトなどの非正規雇用として人を雇う場合契約期間が定められています。企業により様々ですが契約期間は1〜2年です。この契約期間が過ぎれば会社都合で契約を更新も解約もできるのです。あなたに過失がなくても、なんとなく気に入らないからなどの理由で解約することができます。

つまりフリーターが稼いでいる月収は今後も続いていく保証がどこにもないのです。大家さんからしたら、いきなり雇用契約を解約されて来月の家賃を支払えないフリーターの入居者より、来月も安定した給与を稼ぎ家賃を安定して払い続けてくれる正社員の入居者を選ぶのは当然でしょう。

なんとなく不安だから

社会的信用に似ていますが、最後の理由はこちらです。なんとなく不安だから。

20代前半のフリーターなら大家さんは大学生程度に思っているので不安は殆どないでしょう。しかし30代、40代になるにつれて、なんでこの人はいい年してフリーターなのかしら?変わり者なのかしら?トラブルになったら嫌だから審査を落とそう!という判断になります。
あなたがどんなに善人であっても、訳もなくいつまでものらりくらりとフリーターをしている人に対して世間は不信感を覚えるのです。

フリーターが賃貸の審査でクリアするために必要なこと

最後にフリーターが審査をクリアにするために必要なことをまとめて見ましたのでご覧ください!

貯金で信用力を獲得する

上の項ではフリーターは雇用の安定がなく、家賃を払い続けられる保証がないから審査に落ちると申し上げました。

しかし大家さんの目線から考えると本当はあなたがフリーターであっても正社員であってもどちらでも良いのです。結局のところ大家さんは家賃を回収できればそれで良いのです。

なのでフリーターであっても支払い能力があることを充分に示せる預貯金審査をしてもらえば効果的です。
フリーターで雇用は安定していないし月収は18万円だけど貯金は500万円あるフリーターなら貯金の全くない正社員
より支払い能力はありますよね?

それを大家さんに示す審査が預貯金審査です。なかなか特殊な審査方法ですが預貯金がたくさんある方は是非、不動産屋さんに預貯金審査をしてもらえないか確認してみましょう。審査通過の目安としては預貯金審査の場合、おおよそ家賃の2年分ほどの貯金があれば審査に通りやすいといって良いでしょう。しかし保証会社の審査の場合はこの方法は使えませんので注意が必要です。

保証会社へ加入せず賃貸の条件(家賃一括払い等)を交渉する

こちらも預貯金がある方限定の方法になりますが、保証会社加入必須の物件であっても、2年分の家賃を一括支払いしたり一時金を入れれば保証会社加入必須をなくすことができる場合があります。
なぜ2年なのかというと賃貸契約の一区切りが2年間だからです。

どうしても、自分名義で保証会社必須の物件を借りたいフリーターは一括払いは可能かどうか不動産屋さんに相談して試してみると良いでしょう。

振り込み履歴や確定申告書で収入を証明する

フリーターで掛け持ちバイトをしている場合などで満額の給与を証明できる書類がない場合、審査に必要なくても審査に入る前の段階でアルバイト先の会社からの振込履歴のコピーや昨年度の確定申告のコピーなどで収入を証明しておくと審査に効果的です。

なにより、キチンとした人という印象も強くなりますのでフリーターNGの大家さんであっても審査を通してくれる可能性が高くなります。

シェアハウス等を利用する

それでもどんなに頑張っても審査が通らない方や、預貯金がなく預貯金審査や一時金を入れるなどの手段を取れない方は思い切ってシェアハウスに入居してみるという方法もあります。

シェアハウスは10万円程度の一時金と身分証さえあれば入居できる場合が多く物件審査は殆どありません。また共有スペースが、多いため通常の物件より広い物件に格安ですむことができますよ!

家賃を下げてみる

一般的に家賃を決める目安は給与の三分の一と言われています。つまり手取り18万円でしたら6万円程度の物件に住むのが適正ということです。

フリーターの場合は、この適正家賃より家賃を下げることで審査を有利に働かせることができます。
家賃は下がれば下がるほど有利です。思い切って生活水準を下げてみるのも一つの手でしょう。

思い切って正社員になる

フリーターでいることに拘りがないのでしたら、正社員になることが一番の近道と言えます。
正社員になれば生活水準を落とすこともなく、シェアハウスに住むこともなく、親に契約者になってもらう必要もなくスムーズに賃貸物件を借りることができますし、保証会社必須の物件を諦める必要もありません。

やむを得ない事情でフリーターでいるのなら仕方ありませんが、そうでないなら正社員になってみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回はフリーターでも賃貸の審査をクリアする方法のまとめでした!

当記事をまとめると、、

  • フリーターは社会的信用が低いため保証会社審査の物件より大家さん審査の物件のほうが審査に通過しやすい!
  • どうしても保証会社加入必須の物件に住みたいなら親や親族名義で家を借りてみる!
  • 収入の高いフリーターより収入の低い正社員の方が物件審査に有利なので思い切って正社員になってみては?!

でしたね!

フリーターのままでいると賃貸物件は年々借り難くなっていきます。親が現役の頃はまだ契約者になってもらい、なんとかなるかもしれませんが、親が年金暮らしになった時には最悪家を失う可能性まであります。

もし、フリーターでいることにこだわりがないのでしたら正社員になることが一番の近道と言えるでしょう。
是非、正社員になって自分の好きなお部屋を自分名義で借りてください!

ここまでご覧頂きありがとうございました!

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